成年後見制度 自分の意思で選べる
年をとると気がかりになるのは、認知症などで判断能力が衰えることではないでしょうか。生活費や財産の管理、公共料金の支払い、介護サービスの契約などに支障が出ます。特に1人暮らしで周囲に頼れる人がいない場合などは心配だと思います。
そういうときに利用できるのが、成年後見制度の「任意後見」です。本人がしっかりしている間に、将来に備えて信頼できる人と公正証書で任意後見契約を結んでおき、時がたって判断能力が低下したら後見人として支援してもらいます。
任意後見人には身内でも、友人でも、誰でもなってもらえます。信頼できる人が周りにいないときは、司法書士らの専門家でもかまいません。地域によっては社会福祉協議会などが法人として引き受けているところもあるので、行政などに相談してください。
仕組みは、本人の判断能力が低下したら、後見人になる人らが家庭裁判所に後見の開始を申し立てます。それを受けて家裁は後見人を監督する人を選任。監督人は第三者の専門家で、後見人の業務が適正になされているかをチェックし、定期的に家裁に報告します(図参照)。
公正証書は公証役場で作成します。費用は2万円程度、家裁への申し立ての際にも5千円程度かかります。後見人に報酬を支払うかどうかやその額は当事者間で決め、監督人への報酬は家裁が本人の財産などに応じて決めます。
同制度にはもう一つ、「法定後見」といって、すでに判断能力が低下して自分で後見人を選ぶことが困難になった場合に、親族らの申し立てで家裁に後見人を選んでもらう仕組みもあります。
これに対して任意後見は、自分の意思で自由に後見人を選べ、支援してもらう範囲も決めておけるというメリットがあります。このため、「老い支度」とか「老後の安心」とか言われています。活用してみませんか。
神戸新聞(2019/05/31 金曜日 朝刊)
死亡事故の原因では、やはりブレーキとアクセルの踏み間違いやハンドルなどの操作ミスが約3割と最も多く、次いで安全の不確認、漫然運転や脇見運転などの前方不注意などです(図参照)。
自筆証書遺言は何度でも書き直せますし、費用もかからないというメリットがありますが、これまでは偽造防止のため本文と財産目録の全てを手書きしなければなりませんでした。高齢者にはかなりの負担になり、活用されているとはいえない状況です。
このため、2019年7月からは、遺産分割を相続人だけで行うのは変わりませんが、相続人以外の親族でも介護などで貢献した場合は相続人に金銭(特別寄与料)を請求できるようになります(図参照)。
配偶者の居住権には「配偶者短期居住権」と「配偶者居住権」の二つがあり、20年4月からです。これには結婚期間の要件はありません。