<シニアの備え>第7部「住まい」(5)リフォーム

将来を見据えた内容に

築年数が長くなったり、子どもが独立したりなどで、高齢期に自宅のリフォームを考える人も多いと思います。せっかくの機会ですから、介護などが必要になったときの生活も見据えた内容にしたらどうでしょうか。

例えば、足腰の衰弱によるつまずきや転倒を防ぐ段差の解消や手すりの取り付けです。段差がなければ車いすが必要になっても動きやすくなります。手すりはいざ設置しようとしても下地がない場合がありますので、壁紙の張り替え時に木製などのしっかりした下地を入れておくだけでも後の工事は簡単になります。

意外と知られていないのはコンセントの増設です。ただでさえ現代生活は電気機器が多いですが、さらに介護用の電動ベッドや医療機器類の増加が見込まれるからです。

ただ、リフォームを巡っては「外壁や床、内装などのはがれや変形などの不具合があった」「追加費用を請求された」などのトラブルが絶えませんので要注意です。

住宅のさまざまな相談に応じている公益財団法人「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」によると、昨年度のリフォーム電話相談約1万件のうちトラブルに関するものは約64%を占めています。相談者は50代、60代が中心です。

大切なのは良質な施工業者をどう選ぶかですが、これはなかなか簡単ではありません。同センターは電話や見積書の送付を受けて専門家が無料でチェックするサービスも実施していますので活用を。電話は0570・016100です。

そのチェックサービスではやはり「単価や総額は適正か」「工事内容や項目は適切か」の相談がほとんどです(図参照)。しかも見積書は大半が1社しか取っていませんでした。

同センターは▽見積書は複数業者からとって比較する▽工事後の不具合に補修費用が支払われる瑕疵(かし)保険に業者が登録しているかも参考に―と呼び掛けています。(共同)

神戸新聞(2019/04/19 金曜日 朝刊)