<シニアの備え>第7部「住まい」(1)住み替え

何を優先するのか考えて

年齢を重ねても安心して暮らしていくための基盤は、なんといっても住まいではないでしょうか。自宅に住み続けたいと考える人も多いと思いますが、1人暮らしや夫婦だけの世帯が急増している中で、なんらかのサポートが付いた住宅へ早めに住み替えたいと考える人も増えています。

住み替え先となるのは大きく▽シルバーハウジング▽軽費老人ホーム▽サービス付き高齢者向け住宅▽有料老人ホーム―などがあります(図参照)。いずれもおおむね60歳以上が対象です。

シルバーハウジングは地方公共団体やUR都市機構などの公営住宅で、トイレなどに緊急通報装置があるほか、生活援助員の支援も受けられます。軽費老人ホームは社会福祉法人などが運営。四つの形態がありますが、ケアハウスが主流で一般型と介護型があります。

サービス付き高齢者向け住宅はほとんどが民間の賃貸住宅です。義務づけられているのは安否確認と生活相談だけですが、大半が食事も提供しています。有料老人ホームは多くは民間の経営で、住宅型と介護付きがあります。

ただ、どの住宅もさまざまなタイプがあって、費用やサービスはそれぞれで異なります。例えば費用面でみると、比較的所得が低い人でも入居できるのはシルバーハウジングや軽費老人ホームです。所得に応じた利用料になっています。

介護面でみると、職員が対応してくれる介護付き有料老人ホームと介護型ケアハウス以外は、外部の事業者と契約して利用します。このため、重度になると再び住み替えなければならない場合もあります。


こうしたことを踏まえた上で、自分の場合は何を優先するのか。必要に迫られてからでは十分な検討ができませんので、体力や気力がある元気なうちから見学や資料の取り寄せなどで納得のいく選択を。次回からはそれぞれの住宅についてみていきます。

神戸新聞(2019/03/15 金曜日 朝刊)

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