<安心シニアの生活設計>第1部 セカンドライフ(4)生きがい 地域とのつながり大切

第1部セカンドライフ4高齢者が抱える不安は「健康、お金、孤独」とよくいわれます。健康とお金についてはすでに触れましたので、今回は孤独です。孤独に陥らないためにはどうすればいいのか。言い換えれば、どう生きがいをもって過ごすのかということではないでしょうか。
内閣府が60歳以上の人に「どの程度生きがいを感じているか」を聞いた意識調査(2014年)があります。「十分感じている」は15・7%、「多少感じている」49・8%です。5年ごとの調査で前回に比べると「十分感じている」が半減しています(図参照)。
どうしてなのか、その理由は分析されていません。ただ、調査方法が面接から郵送に変わったので単純には比較できないとしていますが、郵送のほうがより本音に近いような気もします。
いずれにしてもその内容をみると、生きがい度が高いのは▽近所づきあいがある▽親しい友人や仲間がいる▽何らかの活動に参加している▽外出の頻度が多い―人です。男女別では、もちろん女性のほうに軍配が上がります。
女性は若いころから地域と密着して生活しているのに対し、男性は会社という慣れ親しんだ居場所がなくなると「何をしたらいいのか分からない」「行くところもない」という人も多いようです。
仕事から引退したといっても元気な人がほとんどだと思います。家に引きこもっているだけではあまりにもったいないし、社会にとっても大きな損失です。会社生活で培った知見や経験を今度は地域で生かしましょう。
最も身近な町内会や老人クラブ活動、さまざまなボランティア活動…。地域で活躍する場はいくらでもあります。また期待もされています。
地域に居場所ができれば、新たな人間関係や得難い仲間もできます。地域の中で役割を持ち、必要とされる存在になることは、これからの長い後半人生の生きがいにもつながることでしょう。
(2016/04/29 神戸新聞 金曜日 朝刊)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)